2018年7月20日金曜日

講義に関する試験問題について

講義やこのブログの「試験」というページでも説明してきたように、期末試験の6割は講義に関する問題で、残りの4割はテキストに関する問題となります。ここでは、木曜日の講義で講義に関する問題に関して使ったスライドの一部を紹介したいと思います。

まず、問題のパターンとして
A と B の関係を説明せよ。例えば、「目的と何々」

Aという概念の概要を書いた上で、講義で紹介された例を一つ選び、概念との関係をを説明せよ。
のようになると説明しました。また、二つ目のパターンの方が圧倒的に多くなります。

実際に試験に出る問題を事前に知らせることができませんが、試験に出ない概念に関する問題を例にとりあげ、答え方を示したいと思います。

講義で「確証バイアス」という概念を少し話題にしましたが、その際に「今回は試験に出ません」と言いました。もしも試験で問題にすると仮定して、次のような問題になるでしょう。
講義で紹介した確証バイアスという概念の概要を書いた上で、講義で紹介された例を一つ選び、概念との関係をを説明せよ。
そして、私自身がこの問題に対する答案を書くとしたら、おおよそ次のようになると思います。
「確証バイアス」とは、人が持っている先入観に合う事柄や事例を見たときには「ああ、やっぱり」と「確証を得た」ように重視するのに対し、その先入観に合わない事象などに出会っても、例外などと軽視し、その先入観(今まで信じてきたこと)を修正しようとしない、という心理学的な傾向です。講義でこの概念が話題になったきっかけは、アメリカのスタバックスで起きた問題に関するビデオを見た複数の受講生が「以前に、黒人がチップを盗んだことがあった」と解釈していたことです。実際に、ビデオの中では「以前、チップが盗まれたことがあった」としか言っていなく、犯人は黒人だったとは言っていてなかったのに、「黒人=犯罪」という発想を持ってその黒人差別に関する話を聞いていたら、「やっぱり、黒人による犯罪が起きていて」と、その「黒人=犯罪」の「確証」を得たような印象を受けやすい説明でした。
問題と解答はよく噛み合っているのではないかと思います。講義で説明したように、説明のそれぞれのフレーズが採点基準となり、答案に求められた内容等が入っているかどうかをチェックすることになりますので、答案を書いた後に、設問に照らし合わせて、すべての部分に答えたかどうかをよく確認することをお勧めします。

なお、上の例が「確証バイアス」の最も典型的な事例とは言えないと思います。そのこともあって、今回試験で問わないことにしました。

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