2011年1月20日木曜日

「美意識」と愛国

次の質問がメールで来ました。
P.23の中西さんに代表される「新・国体」論というのは、日本において美意識を究極の価値とすること(でいいのでしょうか…)と書かれてありますが、この美意識はどういうもの、どういう見方なのでしょうか?
まず、「国体」については「政教分離規定と靖国問題」でちょっと触れましたが、国家神道を中核とする戦前のナショナリズム・愛国の形態を指す言葉です。「新・国体」という言い方は、戦後の新しいナショナリズムや愛国の形態ではありますが、悲惨な戦争につながった戦前・戦時中の発想とどこかで似ているという考えを表現するために姜氏が使っていると思います。

「美意識」については、「美」を意識すること自体はいいけども、「美意識」などは愛国の基盤にはならないというのが姜氏の立場です。この点については133-4ページも多少参考になるかも知れません。本のあちらこちらで「美」とか「情緒」などを愛国の拠点とすることを批判していますので、本を読み進めるうちに「美意識」に対する姜氏に考え方が見えてくるのではないかと思います。

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